ミラーボックスの作り方

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完成したのが上の写真です。
作り方はとても簡単です。
四角い段ボール箱の上を切り取り、
写真のように穴を2つ(または4つ)開け、
箱の中心に鏡を固定して設置するだけです。

鏡は両面についている方が使いやすいですが、
両面の鏡で大きいものになるとなかなかなかったり、あっても高いと思うので、
片面の鏡で十分だと思います。(このボックスも片面の鏡を使っています)
※片面の鏡を使う場合、左右どちらにも向けられるように、鏡を取り外し可能にして下さい。

上の写真だけで十分分かると思いますが、
一応制作途中の写真も載せます。


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コンパスで円形の下書きをしてから、カッターで穴を開けていきます。
手が楽に入るぐらいの大きさに開けます。
位置的には、左右の位置は肩幅ぐらいに広げた手が入るぐらいの位置にします。
上下の位置は、使う時の状況を考慮して使いやすい位置にして下さい。

※側面にも穴を開けているのは、段ボールが少し小さかったため、
身体が大きくて体格の良い方は前面の穴では窮屈な時があるかもしれないと思ったからです。
側面の穴から手を入れると体格の良い方でも楽に手を入れられると思います。
なので、段ボールがそこそこの大きさあれば、前面の穴2つだけでもOKです。


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これぐらいの穴になります。
下に色々な角度からの写真を載せます。

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箱の中心部分は縦長に、ちょうど鏡の大きさに切り抜いて、鏡が差し込めるようにして下さい。
この写真では鏡の上の段ボールはつながっているように見えますが、
鏡の上の部分の段ボールには切り込みが入っていて、
上から抜いて鏡を反対側に向けてまた差し込めるようにしています。
【使用法】

さて、実際の使い方ですが、
下の写真のようになります。

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両手を穴から入れます。
片麻痺の患者さんの非麻痺側(麻痺していない側)が鏡側になるようにして下さい。
そして、
鏡をのぞき込みながら、左右の手で同じ動きをします。
手をいろいろ動かして下さい。
特に麻痺側の手が動きにくい動きをすると良いと思います。
鏡に映っている非麻痺側の手と、麻痺側の手の位置がちょうど重なるようにして下さい。
これは、視覚的フィードバックを利用して、脳の可塑性を促すものです。
鏡に映っている非麻痺側の手を見ながら動かすことで、
まるで麻痺側の手が麻痺していないかのように見え、
その情報が脳に送られ、手の運動を司る神経ネットワークが活性化されるのです。

麻痺していない健常者の方では、
鏡に映っている方の手を動かさないまま、
反対側の手を動かしたら何とも言えない違和感があると思います。
逆に、鏡に映っていない方の手を動かさないまま、
反対側の手を動かしても同じように違和感があると思います。
それだけ視覚的フィードバックの力は強いということがいえるのではないでしょうか。

※このボックスには手しか入れることができないため、
足で行うにはもっと大きな鏡が必要だと思います。
病院のリハビリ室にはたいがいキャスターがついた大きな鏡が置いてあると思うので、
これを用いると良いのではないでしょうか。

このミラーボックスによる治療法は、カリフォルニア大学サンディエゴ校神経科学研究所所長のラマチャンドラン博士が開発しました。
このミラーボックスの効果は2003年5月に開催された第38回日本理学療法学術大会でも報告されています。
その研究によると、麻痺側の手の運動が活性化される即時的な効果が現れたと報告されています。

このような鏡による治療は、手や足を切断した患者さんの“幻肢”の治療にも効果があるといわれています。
“幻肢”というのは、手や足を切断した方が、切断した手足がまだあるかのように感じるものです。
まさに“幻の肢(手や足)”です。
幻肢に伴って痛みを感じる方も多く、これは“幻肢痛”と呼ばれています。
幻肢の原因にはさまざまな説がありますが、まだ決定的な説はありません。

私達が手や足などの感覚を感じるのは、脳に体性感覚野という、それぞれの体の部分に対応する神経細胞があるためです。
これはペンフィールドという人によって発見されたため、ペンフィールドの身体地図といわれています。
この身体地図は、大人になってからは変化することはないといわれていました。
しかし最近の研究で、大人でも神経細胞のネットワークの配線が変わることがあることが分かりました。
これは再配置といわれています。

ラマチャンドラン博士によると、
失った手の感覚を司る脳の領域が、他の領域の神経ネットワークとつながり、再配置されるとのことです。
しかも、ペンフィールドの身体地図上で、失った手や足の領域と近い領域につながりやすいとのことです。

ラマチャンドラン博士が治療を行ったある患者さんは、
顔の頬を触ると切断した手の感覚を感じました。
丁寧に失った手の感覚を感じる部分を検査していくと、なんと頬に手の形が現れたそうです。
この例では、失った手の感覚領域は、顔面の感覚領域とつながり、再配置されていたということになります。
幻肢の感覚は、この再配置によって引き起こされていると考えられます。

このような幻肢の患者さんについても、切断されていない側を鏡に映し、
その像を見ながら手や足を動かすことで、幻肢の感覚や幻肢痛が治ったという報告があります。
視覚的フィードバックにより、切断された手や足があるという情報が脳に送られることにより、
正しい体性感覚がよみがえるのではないかと考えられます。

段ボールに穴を開けて鏡を挟んだだけの簡単な器具ですが、その理論的根拠をたどると奥深く、
驚くべき効果を秘めている器具といえるのではないでしょうか。
試してみる価値はあると思います。